BANGKOK　?

　こういう時は普通の人間ならもっと怒るのだろうか？。
　でもさっきのトゥクのドライバーはマジで焼いたろかと思ったけどしょうがないのでカンチャナブリーはバンコク滞在一日前に行くことにした。
　それにしても事情により僕を拾えなかったのはともかく何の連絡もないというのは如何なものか？。でも、タイなのでしょうがないとあっさり諦める。


　アグバヤーニ氏にバスでワット・ポーまで行く行き方を聞く。
　どうやら53番のバス停に行けばいいらしい。
　バスに乗ること20〜30分でワット・ポーに到着。涅槃像を見た後、ワットアルンを見ようと思ってココナッツジュースを飲んだ後、道を歩いているとここでも中年のおじさんに話しかけられる。ひととおり世間話をした後ワットアルンは土・日は13:00から営業だからその前に他を見てから行きなさいと言う。
　
　で、親切なのかおせっかいなのか微妙なところだが地元っちーならではのワットポー周辺の観光スポットをセレクトしてくれてそこをまわってからワットルアンに行けとわざわざ僕のガイドブック「地球の歩き方」に印を入れトゥクトゥクを呼んでチーププライスでチャーターまでしてくれる始末。馬主の関口房郎氏に似た成金風の厳ついながらもちょっとダンディな感じのおっちゃんだったが他にすることもないのでそのコースをまわってみることにした。

　最初に行った寺の名前はわからない。関口氏はガイドブックに印をつけてくれたのだがその寺はガイドブック上「卍」なのだが寺の名前は書いていなかったのだ。そこは巨大な仏陀の仏像があって小さい寺ながらもいい雰囲気で少し気に入ってしまった。
　境内に入ると若い兄ちゃんが合掌している。目線が合うと手招きしてちょっとこっちに来いと言う。寺の中にはRest　Spaceみたいなのがあって其処に入り世間話をする。（小さい仏像も祭ってあったのでRest　Spaceではないかもしれないが）この人はTANAさんといって保険会社に勤めるサラリーマンということだが休みの日は毎日欠かさずお参りに来る熱心な仏教徒の人であった。日本の中ではイレギュラーな釈迦直伝の根本仏教に関心のある僕なのでその辺の話題をふってみたがタイは小乗仏教（小乗仏教という言葉は本来適切ではないのだが）と聞いていたがどうもいま一つ通じなかった。
　勘ベースだがタイはタイ仏教で一口に南伝仏教といってもタイ独自の考え方があるのだろうという気がした。バンコクのことを地元民はクルンテープというのだが私がクルンテープというとTANA氏は驚いたようでよく知ってるなと言った。まあタイは三回目やし・・。日本人がJAPANと言わずニホンというような感じなんでしょうねー。

　その名も知らぬ寺を後にし、次に行ったのはカシミヤを扱う地元のタイ企業ヴィーナスという会社。関口氏は日本人だから金持ちだろうということでこの会社の格安SALEを紹介してくれたのだと思う。（どうもタイでは有名らしいこの会社の普段はない格安セールが今週に限ってあるらしい）
　ここはとばそうかと思ったけどスーツがもう一着必要なのと親父がカシミヤ好きなのでちょっと偵察してみたい気があってまあ寄ってみることにした。

　ここで「信用」という賭けをすることになる。実はさっきのTANA氏にこの次はヴィーナスに行くと言うと驚いた様子でなんで君がヴィーナスを知っているのか？と言う。
　経緯を話すと俺は昨日ヴィーナスに行ってカードを切って5着買ったと言う。長年アジアを旅慣れてくると罠、騙しに関して敏感になってくるのだがここでTANA氏は関口氏とグル？という警戒ランプオレンジが点滅してきたのだが（＾＾；、どうなんだろう？偶然と言えばあまりに偶然。
　結論を言えば捨て金許容範囲のリーズナブルプライスだったので一着買ったが繊維のプロの親父に鑑定してもらうつもり。
　
　　その後巨大仏で有名なワットインドラヴィハーンに行くつもりだったがヴィーナスでの値切り合戦、噂通りのバンコク交通渋滞などが影響して行けず寺閉店の可能性有りで（＾＾；そのままワットルアンに行く。

　その前にお昼ご飯を食べていなかったので地元の飯屋で遅めの昼飯。ここでチャーターしたトゥクの親父とお別れ。この人は今までタイで出会ったトゥクのドライバーの中で一番良い人だった。行く先々で長居する私に文句ひとつ言わず「君の時間だから問題ない」という有り難いお言葉。
　旅では必ずイヤな奴にあって不愉快な思いもするけど、一方で絶対にどこかでいい人に出会うことができる。それが旅の楽しみでもあり、また物事には両面あることをこんな所で感じてしまう。

　二日目なかなか終わらんなー。（つづく）